2019年10月20日、上記セミナーを開催しましたので簡単ではありますが報告させていただきます。
財前先生との出会いは、「身体運動学的アプローチ研究会」での講演や研究発表を拝聴したことで感銘を受けたことがキッカケでした。
入谷式足底板の上級者が集う研究会の中でもずば抜けた内容の発表(思考回路が理解できないほどの圧巻の内容でした)をされており、入谷誠先生にも一目置かれている存在であると感じておりました。
なんとか先生の講習会を受けてみたいと思いつつ、数年が経ちました。
そして、今年6月に「入谷式足底板インストラクター勉強会」が開催され、そちらに参加させていただくことになりました。
その勉強会に財前先生も参加されており、はじめてご挨拶をさせていただき、その後の懇親会でもご一緒させていただいたことで今回のセミナー開催に至りました。
関東では先生の名は多く方に知られており、著名人を多くクライアントに持っている先生でもあり、なんとか関西のセラピストや治療家と共に学びたいという気持ちが強くありました。
「患者様、クライアント様を良くしたい」
先生の治療コンセプトには、お悩みの方の悩みを解決できるノウハウが明確に存在しており、その知識・技術の一端でも知り得ることができれば、我々の治療技術も飛躍的に伸びる可能性があると感じていました。
「入谷式カウンター理論」や「皮膚誘導」などから独自の視点で切り開かれた「斬新な評価技術」を展開されています。
勿論、障害や問題の基盤である病態から、その病態を生んだメカニカルストレスの要因まで、短時間で見抜く力とその問題点を改善に導く「評価スキル」と「姿勢・動作の分析能力」は、一流のセラピストであると誰もが感じたのではないかと思います。
「本当の意味で患者さんを治せる治療家を育てたい」
そんな先生の想いを強く感じるセミナーでした。
先生の治療技術の基盤となる考え方を惜しげもなく提供いただき、その場では理解に苦しむ部分、理解に時間を要する部分もありましたが、それだけ多くの貴重な情報を我々のために提供してくれたのではと感じました。
若いセラピストや入谷式を学んだことのないセラピストにとっては「???(ハテナ)」が続く内容であったかもしれません。
しかし、もっと学んで、もっと臨床を真剣に考え、もっとクライアント様を良くしなければならない、良くしたいという想いを強く持っていただける内容であったかと思います。
少なからず、私においては今回のこの貴重な講義内容を自分の臨床や現場に落とし込み、なるべく早くに理解を深め、お悩みのクライアント様に提供せねばならないと強く感じました。
セミナー内容に関しては、
●セラピストは知識や技術を提供して何を変えるべきなのか
●運動連鎖の落とし穴である「先入観」に注意すべきであること
●動作の解釈を間違えないようにするための「確認作業」が重要であること
●「正常」は本当に目標とすべきゴールであるのか
●筋力や関節可動域の本来の意味はなんであるのか
●動作観察の仕方やポイント
●機能解剖と身体各部の機能リンケージ
●「入谷式カウンター理論」や「皮膚誘導」を用いた「評価の重要性」
●的確な「評価」によって得られた治療の方向性とそれを達成するための「運動療法」
● and more・・・・
シンプルでありますが、奥深いため簡単には臨床に落とし込めない部分があります。
ただ、「確実に良くする」ための過程をしっかりと踏んでおられるため、「確実に結果がついてくる」のであると思います。
理学療法士はあと10年もすれば飽和状態となり、医療・介護保険制度も大きく変わってくる可能性があります。
だとすれば、「本当に治せる専門家」が必要な時代がすぐそこに迫っているのかもしれません。
誤魔化しのきかない世界になる時代が訪れ、我々専門職の本来あるべき姿がはっきりとしてくるのではないでしょうか。
だからこそ、「学び」に手を抜いてはいけない。
そう強く感じています。
今回のセミナーで学ばせていただいたことはこれからの自分の成長を大きく左右するはずです。
参加いただいた皆様、是非とも多くのお困りの方のために還元してください。
そして、得られた知識・技術を職場に持ち帰り、共有することで更に多くの方に還元していただければと思います。
私が講師を務めたような偉そうな言い方で申し訳ないですが、財前先生も同じ気持ちであると思います。
教えていただいとことを現場で活かすことが講師の先生へのお礼にもなるはずです。
最後に、素晴らしい会場を提供いただいた酒井医療様、スタッフとしてサポートいただいた皆様、受講いただいた参加者の皆様、そして講師を務めていただいた財前先生に今一度、感謝の意をお伝えしたいと思います。
皆様、本当にありがとうございました。
アイソウルワークス
理学療法士
伊佐地 弘基