『膝関節障害に対峙する』講師紹介

『膝関節障害に対峙する』講師陣の略歴紹介です。

 

◆第1部

「可動域制限を作らない-術後早期の柔軟性に対するアプローチ-」  

松尾 高行 先生

所属:大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科 教授

資格:博士(保健学)

一般社団法人アスリートケア 学術局臨床教育部部長

【略歴】

平成11年吉備国際大学保健科学部理学療法学科卒業。主に行岡病院リハビリテーション科にて膝関節外傷の術後から競技復帰までのリハビリテーションに従事。平成23年吉備国際大学大学院保健科学研究科博士後期課程修了。平成24年より大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科にて教育、研究、臨床に従事。専門はスポーツリハビリテーション、バイオメカニクス、であり、書籍および研究論文を多数執筆。

【講義内容】

膝前十字靱帯損傷や半月板損傷の一般的な治療は、関節鏡視下手術が行われます。これらの後療法は、再建靱帯や縫合部位の保護を目的に一定期間(1〜2週間)、装具(硬性/軟性)にて外固定が行われ、その後、関節可動域(ROM)の再獲得が行われる。今回の講義では術後の特徴的な症状と円滑なROM再獲得のための柔軟性評価、アプローチについて理論、具体的な方法について解説します。

 

◆第2部

「膝の慢性障害に対する理学療法 -姿勢・動作に着目したアプローチ」 

三谷 保弘  先生

所属:関西福祉科学大学保健医療学部リハビリテーション学科 教授

資格:博士(保健医療学),理学療法士,専門理学療法士(基礎,運動器)

【略歴】

平成9年徳島医療福祉専門学校理学療法学科を卒業。急性期病院、理学療法士養成校での勤務後、平成24年から関西福祉科学大学保健医療学部リハビリテーション学科に着任、現在に至る。平成18年に大阪体育大学大学院博士前期課程を修了(修士(スポーツ科学))、平成21年に国際医療福祉大学大学院博士課程を修了(博士(保健医療学))。スポーツ理学療法領域でのトレーニングの有効性や妥当性、新たなトレーニングの開発について研究している。また、スポーツ選手の傷害調査ならびにコンディショニング指導を行っている。

【講義内容】

膝の慢性障害は、膝関節とその周囲に加わる物理的負荷が蓄積することにより発症します。不良な姿勢や動作は膝の物理的負荷を増大させる要因となり、理学療法ではそれらに対するアプローチが必要不可欠となります。理学療法を行うにあたり、膝関節とその周囲の物理的負荷を増大させる要因を多角的に臨床推論し、検証しながら進めることが重要です。

本講義では、膝の慢性障害に対する姿勢・動作に着目した理学療法の考え方について、デモンストレーションを含めて解説します。

 

◆第3部

「足部・体幹の運動連鎖から介入する」  

伊佐地 弘基

所属:i-soul works  代表(アイソウルワークス)

資格:理学療法士、入谷式足底板公式インストラクター

その他の所属:一般社団法人アスリートケア 甲子園サポート部
身体運動学的アプローチ研究会会員

【略歴】

平成13年河﨑医療技術専門学校理学療法学科卒業後、社会医療法人純幸会に就職。一般急性期・慢性期・回復期・スポーツリハ・訪問リハ・リハビリ特化型デイサービスを経て、2017年4月、現在の「i-soul works」を設立。入谷式足底板、ボディケア、パーソナルトレーニングによる健康増進・障害予防を目的としたサービスを提供。また、外部でのトレーナー活動やセミナー活動などを行っている。

【講義内容】

荷重下における機能的運動連鎖が破綻することによって膝関節に力学的ストレスの集中が起こりやすくなります。特に、骨・関節のアライメント不良により動的姿勢制御機能の低下を招くことが多く、その結果、膝関節に痛みや不快感を生みます。その要因として、足部および体幹のアライメント異常が深く関わっていることが多く、その機能を評価し介入することの重要性を解説します。足部、体幹、運動連鎖、アライメントをキーワードに理論および実技を通じてお伝えします。

 

◆第4部

「安全に下肢筋力と動的姿勢を改善する」  

木村 佳記 先生 

所属:大阪大学医学部附属病院 リハビリテーション部 技術職員(理学療法士)

資格:博士(工学)、専門理学療法士(運動器)、呼吸療法認定士

委員:関西テニス協会医科学委員

【略歴】

平成12年大阪府立看護大学医療技術短期大学部卒業、平成14年神戸大学医学部、平成24年大阪電気通信大学大学院卒業。現在は大阪大学医学部附属病院にて膝関節外傷の術後から競技復帰までのリハビリテーションに従事。生体運動力学、超音波解剖、動的バランス、リハ効果検証などの研究にも携わり、書籍および研究論文を多数執筆。

【講義内容】

膝関節の外傷や手術後の回復過程においては、損傷部位や治療部位の治癒過程を阻害する過負荷を回避する必要があります。一方で、安全に筋力回復を促進し、姿勢制御能力を改善して外傷の再発予防に努めることも重要です。本講義では、その運動療法に必要な膝関節の機能解剖とトレーニングのバイオメカニクスの理論を解説します。