私の考える体幹の理学療法・開催報告

『私の考える体幹の理学療法』と題しまして、

コンディション・ラボ園部俊晴先生をお招きして、体幹セミナーを開催しましたの簡単ではありますが報告いたします。

内容は、「体幹」と障害をどう考え、捉えていくべきなのか。

「痛み」で悩んでいる方が我々医療従事者を頼ってこられます。

「痛み」は、何が原因で起こるのか。

それは、組織になんらかのメカニカルストレスが加わっていることが考えられ、組織の破壊(病態)が存在しています。

では、その組織の病的な状態を作り出すメカニカルストレスの元となる要因はなんであるのかが重要となります。

そのためには、姿勢や歩行などの観察力・分析力が必要であり、その中で体幹機能がどのように関わっているのかを把握することが重要であることを教えていただきました。

機能解剖を中心に「組織学的推論」を行い、荷重配列と力学を中心に「力学的推論」を行うことで、問題に対する仮説を立て、それを検証していく作業、これらが非常に重要であると感じました。

解剖学および組織学、病態とメカニカルストレスの関連、そして体幹への介入前後による動きの変化とその解釈、検証作業の結果、わかってきた誘導方向を促通するエクササイズと足部へのパッド処方など治療介入における方法論について実技を通じて指導いただきました。

実技講習においては、まずは先生が実際に目の前で変化を出し、介入の仕方によって更に変化するというその「動きの変化」を観察するところから始まり、口頭での説明がそのまま対象者の動きに反映されていることをとてもわかりやすく確認することができました。

『体幹・組織・倒立振り子』

中でも「倒立振り子」の概念と、歩行動作の中でのその動きの観察が非常に難しく、ペアでの実技体験時には“どの動きが良好であるのか”を悩みながら観察している参加者も多々おられました。

普段から歩行観察をしていない方にとっては、非常に難しかったと思いますが、歩行は人間のメインとなる移動様式です。

勿論、「姿勢」が「歩行」に影響することは間違いありません。

「姿勢」が各種スポーツ動作に影響することも多々あります。

その「姿勢」の中で最も重要と考えられているのが「体幹」です。

身体質量として約70%を占めると言われている上半身が、正中位から変位し、左右差が伴うことで荷重関節である股関節、膝関節、足においてはその荷重ストレスの加わり方が組織によって大きく変わってきます。

「膝痛」があるからといって、膝の痛みを感じている組織だけをみて、組織に対するアプローチをするだけではなく、その組織に加わっているメカニカルストレスの要因がなんであるかを明確にせねば、本当の改善にはつながりません。

腰痛、股関節痛、膝痛、足痛などをみていく中で、「体幹機能」を無視することはできないことを学ぶことができました。

その体幹にわずかな介入を施すことで、ヒトの姿勢や動きが変わり、結果的に別の部位の痛みが軽減する。

私自身もその体験ができ、改めて体幹への意識が高まりました。

ですが、体幹がすべてではありませんので、まずは姿勢や歩行の観察により、その方の特徴を把握することで“どの機能が低下しているから、こっちの機能にストレスが加わっている”と明確に言えるような動作観察・分析スキルを身につける必要性があると感じました。

そして、病態部位の組織学的な知識と評価スキル、力学を考慮した動作分析、これらのスキルがあれば本当に多くの運動器障害でお悩みの方を救うことができると感じました。

また、神経系由来のしびれ・疼痛などの機序についてもご助言いただき、更に多くの方のためのスキルになると感じております。

まだまだ、お聞きしたいことがありましたが、まずは今回の内容を復習し、実践し、自分のスキルとして身につけ、それぞれの現場でクライアント様に良いカタチで提供していただけることを祈っております。

※まずは私自身が頑張る所存です!!

 

我々、理学療法士をはじめとする医療従事者や健康に携わる専門家は、これからの世の中の動向を予測した上で先を見据えた活動が必要となります。

健康寿命を如何に延ばすのか、医療・介護保険の仕組みはどう変わるのか、保険外サービスの社会貢献度はどうなるのか…必ず考えていかねばならない道であると思います。

まずは、理学療法士として、そしてヒトの身体に携わる専門職としてのスキルを高め、クライアント様に満足してもらえるサービスクオリティを高め続けることが、社会への貢献につながることは間違いありません。

社会貢献に対する意識と目的をしっかりと持ち、それぞれのフィールドで刺激し合い、お互いを高め合える専門職・チームとなれるよう取り組んでいく姿勢がこれからの社会では必要であると改めて感じることができました。

そんな素晴らしい関係性を築けるセミナーを開催できるよう今後も計画・実施していく所存です。

最後に、園部先生、ご参加くださった皆様、運営に関わっていただいたスタッフの皆様、そして素晴らしい会場を提供いただいた酒井医療の担当者様、深く御礼申し上げます。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

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↓↓参加者からのいただいた感想です↓↓

●理学療法士
会場も広く、運営も隅々まで配慮された「居心地いい」勉強会でした。
園部先生の知識・技術の素晴らしさはもちろんですが、問題点を繰り返し繰り返し行う評価の中で明確にしていく姿は圧巻でした。
今回の勉強会により身につける事ができた体幹の知識・技術はもちろんですが、臨床に対するこの姿勢こそ今回の勉強会で得た最も大きなものであると感じています。

●理学療法士
今回、大変勉強になりました!
姿勢・動作分析と、正常解剖の知識の両輪が臨床でマストであると実感致しました。
どうも有難うございました。
また、次回も参加させて頂きたく思います。

●理学療法士
開始30分ほどで理学療法士がやるべきことや、組織を考えることの重要性、バイオメカニクスと組織をどう組み合わせて臨床を進めるかなどの話があり、それだけでも参加してよかったと思えるセミナーでした。
全体を通しても自分が成長していくためのヒントを多く教えてもらえたと思います。
今後も機会があれば是非とも参加させていただきたいです。
ありがとうございました。

●理学療法士
この度は貴重なセミナーを開催いただき、誠にありがとうございました。
臨床の現場で実力を持たれている園部先生のお話が聞けて刺激を受けました。
私も体幹機能については研究なども行っており知識はあるつもりでしたが、園部先生のお話を聞いて臨床での活かし方を学ぶことができました
しかし、理解が及ばなかった部分もあり、その点についても知識、技術ともに差を詰めていきたいと強く考えさせられる内容でした。

●理学療法士
園部先生の体幹セミナーに参加して、皮膚誘導をはじめとする様々な誘導を見て、わずかな刺激でこんなにも動作が変わることがあるのかと驚きでした。
実際に園部先生に良い方向に誘導され歩いてみると、普段と比べはるかに歩きやすく、ダメな方への誘導では体幹が動揺したり、倒立振り子がうまく行えなかったりと本当にびっくりしました。
今日の臨床で患者さんに誘導を行ってみると、自分の考えと患者さんの発言が一致し、普段よりもあっという間に臨床の時間が過ぎていきました。
また次の園部先生のセミナーがあれば参加したいと思います。

●理学療法士
今回方法論については今まで実施していなかった方法なので少し難しいと感じることが多く、現状の自分の能力では臨床に使える状態ではないため、まずは健常者を対象に倒立振り子の観察が出来るようになることが必要だと感じました。
考え方に関しては大変参考になることが多く、実際に臨床で行っていることで一致することやまだまだ不十分なことがあることを改めて整理することが出来ました。
今回学んだ内容を自分の臨床に落とし込めるように引き続き学習を進めたいです。

●理学療法士
園部先生のセミナーは今回が初めてでしたが、評価、介入の速さ、正確さに大変驚愕しました。
同時に自分の中で、もっと研鑽しなければいけないという気持ちがとても高まりました
今後にも活かしていけるよう勉学に励みたいと思います。
ありがとうございました。

●理学療法士
楽しくどんどん引き込まれていくことが自分でも分かりあっという間の1日でした。
そして、次の日から臨床で評価しアプローチしていくなかで自分自身の視野の広がりアプローチそして患者さんの変化、それを患者さんと共有でき、臨床が更に更に楽しくなりました。
さらに、疑問を深め身体の構造に繋げていきたいと思います。

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アイソウルワークス

伊佐地 弘基

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