2月の理論編に引き続き、6月に「膝関節障害に対峙する・実技編」を開催しました。
理論編に参加された方から、初めの参加の方を含め、多くの方にご参加いただきました。
今回も、膝のスペシャリストの3名の講師の先生方より、理論編のおさらいをしていただきつつ、実技中心の内容を実施いただきました。
可動性改善に必要な臨床的知識と介入法として、膝蓋骨の動態とその動きの評価、そして硬さに対するアプローチ方法をご提示いただきました。
痛みと可動域制限は必ずと言っていいほど因果関係があります。
膝蓋骨の動きがわずかに変わることで簡単に膝関節の屈曲・伸展の可動域は改善できます。
動きの中で痛みや制限があれば、軟部組織の柔軟性が制限されていることが多いため、的確な触診技術と解剖学的な位置関係などもイメージしながら触れていく必要があります。
正常な機能解剖と運動学、そして病態の把握の大切さを改めて学ぶことができました。
オーバーユースにおける膝関節障害において重要なのは、姿勢・動作の観察と分析です。
そして、膝関節に注目しすぎてはダメで、全身アライメントと膝関節を力学的な観点から関連付けて分析する能力が必要です。
組織学的な柔軟性の低下、過度な筋活動による柔軟性の低下など姿勢を制御する中で個々によって対応が異なります。
その中で、骨盤の位置関係や上半身重心の位置によって膝関節への力学的ストレスの診方をわかりやすく説明いただきました。
なぜ、大腿の外側が硬くなりやすいのか、その硬さがどのように影響するのか、そしてどうやってその硬さを改善していくのかなど実際の臨床でのテクニックをご提示いただきました。
しかし、硬くなった組織の柔軟性を改善するだけではいけません。
過度な筋活動を起こしやすい原因を追究し、それに対するトレーニング方法も研究データを踏まえてご提示いただき、その方法論を実際に体験しました。
膝と足部。
荷重下での活動において、切っても切り離せない関係であることは間違いありません。
臨床家である以上、膝を診る場合、足部は診るべきなのです。
今回は、足部を変えることで膝が変わり、骨・関節アライメントのみならず、足部の筋機能をどう活かし、どのような支持機構としての機能を高めるべきかを実技を通じて体験いただきました。
膝関節は、回旋・側方への動きを優先的に使う関節ではありません。
過度に動いてしまうからこそ、障害が発生します。
では、どうやってその過度な動きを制御するのか、隣接する足部や股関節、そして体幹機能がポイントとなります。
足部におけるアライメント調整、筋機能の改善のためのトレーニングやエクササイズなどを実際に動きながら実施していただきました。
最後は、荷重下での安全なトレーニングについての実技を行っていただきました。
術後早期からのトレーニングは必須です。
しかし、安全に実施できなければ意味がありません。
そして、廃用による筋力低下を少しでも防ぎ、早期復帰に向けてのトレーニングは誰しもが望むはずです。
多くのトレーニングに対する研究を重ね、臨床での経験を重ねた貴重な方法論を提供いただきました。
膝関節へのトレーニングであるからこそ、体幹機能や股関節・足部の肢位にもしっかりとこだわり、安全かつ効率のよいトレーニング方法を大変多く、ご提示いただき、しっかりと体験することができました。
アスリートだけでなく、ご高齢の方にもすぐに臨床で使える技術を学ぶことができ、筋疲労と脳疲労を感じることのできた1日となったのではないでしょうか。
早速、翌日からの臨床や現場において活用して効果を感じているとご感想もいただくことができ、今回の開催については大成功であったと感じています。
臨床や現場での悩みが無い方はいないはずです。
その悩みを早期に解決するために何をしていますか?
解決するための行動を迅速にとっていますか?
クライアント様は、もっと悩み、苦しんでいるはずです。
我々、専門職がスキルを上げ、そういった悩みに対して早期解決をせねば「本当のプロ」にはなれません。
そんな悩みの解決の糸口となるようアイソウルワークスでは「実りあるセミナー」を開催していきたいと思っています。
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今回、2日間参加いただいた皆様、1日だけでも参加いただいた皆様、都合が合わず参加できなかった皆様も含め、来年度以降も当セミナーはブラッシュアップして開催していく予定ですので、是非ご参加いただければと思っております。
また、今回のセミナー後にアンケート調査を行いました。
いくつか今後の参考になる意見を頂きましたので、今後の企画に反映していきたいと思っております。
アンケートにご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
最後に、今回の企画は「講師4名の想い」がひとつになったことで開催されました。
とても幸せな2日間に感謝しております。
講師の先生方、本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
アイソウルワークス
理学療法士
伊佐地 弘基